パワーアップ講習会を開催しました!

2020年11月14日(土)・15日(日)、西原商会アリーナ(鹿児島アリーナ)で、鹿児島市パワーリフティング協会と共催で「パワーアップ講習会」を開催しました。(ポスター

今回の講習会は、鹿児島市競技力向上対策事業の一環として行われたもの。

講師には、パワーリフティング界のレジェンド、パワーリフティング・ベンチプレス元世界チャンピオンの三土手大介さんをお迎えし、1日目(ラグビー、相撲、柔道などのパワー系競技の選手が対象)は70名程、2日目(パワーリフティング競技者が対象)は40名程が参加しました。 ここでは、1日目の様子をお伝えします。

パワーリフティングとは?

パワーリフティングとは、ウエイトトレーニングの種目の中で、基本的で高重量を扱える種目であるスクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目の最大挙上重量の総計を競うスポーツです。この3種目は、合わせて「BIG3」と呼ばれます。 講師の三土手さんのベスト記録は、スクワット435kg、ベンチプレス360kg、デッドリフト320kgのトータル1060kg!

まずは、ウエイトトレーニングの基本をインプット

この日の受講者は、ラグビー、相撲、柔道などのパワー系競技を行う学生とその指導者たち。
まず、三土手さんは「自分の競技に対して何が必要かをよく考えることが大切」と前置きした上で、ウエイトトレーニングの意義やトレーニングメニューの組み立て方を論理的に説明してくれました。

現役時代に多くのケガを経験した三土手さん。受講した高校生に対し、「計画的に、疲労を抜きながらトレーニングをしたほうが良い。”関節は消耗品”ということを頭に置いておいてほしい」と切々と語っていたのが印象的でした。

「背中が疲労している状態でベンチプレスをやらないほうがいいから、デッドリフトの前に」など、具体的なメニューの組み方の説明

身体の動かし方のコツ…全ては正しく立つところから

次に、実演を交えながら、三土手さんのトレーニング理論のベースとなる「4スタンス理論」の説明がありました。ヒトの身体の動かし方には4つのタイプがあり、それぞれのタイプに適した身体の使い方(構え方、フォーム等)があるというもの。

4つのタイプに関わらず、基本となるのは「正しい立ち方」であり、正しく立つことができれば、正しく構えることができ、自分の動きやすい動きにつながるそう。受講者は、三土手さんのお話に真剣に耳を傾けながら、自分にとっての「正しい立ち方」を模索しました。

正しい立ち方とは…

  • 両足の土踏まずで地面をとらえている
  • 土踏まずの上に頭(脳)が乗っている
  • 腕と肩はリラックス
  • 自分にとってラクで安心する立ち方をする
  • 足の幅がポイント。両足の間は指2本分くらい
靴を脱いで、土踏まずで地面をとらえることを感じる受講者たち。「正しく立つ」って、意識すると難しい

最後に、BIG3それぞれの技術指導

2時間半、みっちりと身体の使い方についての講義を受けた後、最後はスクワット、デッドリフト、ベンチプレスの具体的な技術指導がありました。

世界で1つ! 自分の身体の「取扱説明書」をつくる

講習会の中で、三土手さんが何度も強調していたのは、「人の真似をしなくても良い。自分の身体と向き合って、オリジナルの『取扱説明書』をしっかり作っていけるようにすると、その先がすごく伸びやすい」ということ。SNSなどで簡単に多くの情報を得られる今だからこそ、改めて意識しなければと考えさせられました。受講者にとって、自分の競技に活かすヒントが得られ、実り多い講習会になったのではないでしょうか。

講師:三土手大介さんプロフィール

1972年8月26日生まれ 神奈川県横浜市出身

ノーリミッツウエイトトレーニングジム代表(公式HP
一般社団法人レッシュ・プロジェクト理事
レッシュ・プロジェクト公認マスター級トレーナー
パワーリフティング&ベンチプレス元世界チャンピオン
世界パワーリフティング選手権優勝(1回)、世界ベンチプレス選手権優勝(6回)、ワールドゲームズ優勝(1回)、アーノルドスポーツフェスティバルPRO BENCH優勝(2回)
全日本パワーリフティング選手権優勝20回、全日本ベンチプレス選手権優勝18回

★鹿児島市競技力向上対策事業とは

当協会加盟団体における指導者の資質向上と選手の強化を図り、本市スポーツの競技力を高めることを目的としています。競技人口が減少している競技では、競技者の人口増加および競技力の底辺拡大をねらいとしています。

具体的には、中央競技団体等から監督、コーチ、選手等をお招きし、本市のトップレベルの選手とその指導者等を集め、研修会・強化練習会を開催します。また、小学生・中学生・高校生の段階的な指導方法等についても研修を行います。